通貨ペアの相関関係を利用したEA(その2)
通貨ペアの相関関係を利用したEA(その2)です。
前回記事 ➡ 通貨ペアの相関関係を利用したEA(その1)
前回も申しましたが、一般的によく知られているのは、以下のような関係です。
・「ユーロ/ドル」と「ドル/円」: 逆相関(負の相関)・・・逆の動きをする。
・「ドル/円」と「ユーロ/円」: 順位相関(正の相関)・・・似た動きをする。
上記チャートは、この一般的なパターンから外れた局面の例です。
こういった局面では、合成通貨の変動が大きくなるとされています。
また、このタイミングでのトレードは、比較的、利益が出し易いと言われていますので、これをなんとかEAで捉えられないかと検討しました。
まず、各通貨ペアのトレンドを把握する必要がありますが、今回は、複数の異なる期間(長期と短期など)の移動平均線の並び順(どちらが上か下か)から判定することにしました。
今回は、いくつかある移動平均線の中でも価格変動への反応が早いとされるハル移動平均線を採用しました。
※ ハル移動平均線: HMA(n日) = WMA(n日/2) × 2 – WMA(n日)
移動平均線の種類としては、単純移動平均線(SMA)、加重移動平均線(WMA)、指数平滑移動平均線(EMA)の3つが良く知られていますが、その他に、私が知る限りでも、修正移動平均線(MMA)、ハル移動平均線(HMA)、T3移動平均線(T3MA)などがあります。
ちなみに、一番上のチャートの中の移動平均線は「T3移動平均線」で、SMAやEMAと比べると非常に滑らかで視覚的に方向性を探りやすく、裁量トレードで愛用しています。
ただ、「移動平均線の並び順」だけでは「騙し」が多すぎます。
そこで、トレード対象の通貨ペアに対しては、複数のSMAの並び順とRSIを駆使したフィルター(企業秘密 ^^;)でエントリータイミングを図ることにしました。
数日を経て・・・
・・・EAが完成しました。
EURUSDとUSDJPYの合成通貨として『EURJPY』ができているわけですので、トレード対象通貨はEURJPYとなります。
リミット値(TP):140、ストップ値(SL):35
140 pips動かずに反転することも多々あるでしょうから、収益にあまり影響のない範囲でトレーリングストップが働くようにしています。
以下は、出来上がったEAのバックテスト結果です。
◆初期資金:10,000ドル、単利 0.1 Lot、最大保有ポジション数:1、テスト期間:約12年
純利益:4,467ドル
プロフィットファクター(PF):1.90
勝率:42.54%
損益レシオ(平均勝ち/平均負け):2.56
最大ドローダウン:234.14ドル(1.63%)
安定性、損益バランスは申し分ないところですが、トレード数が少なすぎます。。。
さすがに、これで終わりというわけにはいきませんので、ちょっと策を練りました。
続きは次回! ^^;
Penguin