FXの口座タイプを分類してみた①(DD方式とNDD方式)

FXの口座タイプには、DD方式とNDD方式(STP, ECN)がありますが、どういうものなのか、本質を理解してないとFX業者の思うまま。利益相反状態でトレードすることになってしまいます。この記事では、FX口座開設(ブローカーや口座タイプの選択)の際に、みなさんに持っておいていただきたい知識を共有したいと思います。
※ 本記事内では、「国内:DD方式」、「海外:NDD方式」ということで海外を推奨するような記事になっていますが、国内FX業者(MT4口座など)の中にはNDD方式を採用しているところもありますので、申し添えます。
DD方式とNDD方式の2種類がある— 知らなきゃ損するFXの基本!
FXの取引方式には大きくわけて以下の2つがあります。
- DD方式 ・・・ トレーダーとインターバンクの間に、FX会社(ディーラー)が介入する
- NDD方式・・・ 〃 介入しない
まず、多くの国内FX業者が採用している取引方式は、DD(ディーリングデスク)方式と呼ばれるもので、その名の通り、トレーダーとインターバンクの間に『ディーリングデスク』が存在します。トレーダーが出した注文はインターバンクに直接注文されるわけではなく、一旦、FX業者が全て受け付けます。その上で、トレーダーが勝ちそうな注文はインターバンクにそのまま流し、逆に負けそうな注文は通さないという振り分けを行います。
次に 、海外FX業者が主に採用しているのが、NDD(ノンディーリングデスク)方式と呼ばれるもので、ディーリングデスクは存在せず、トレーダーとインターバンクが直結しています。NDD方式は、さらにSTP方式とECN方式の2つに分けられますが、これについての詳細は以下の記事で。
DD方式の真実—「トレーダー vs. FX業者」の構図
DD方式はOTC方式(相対取引)とも呼ばれ、実はトレーダーの取引相手はFX業者そのものです。もしFX業者が注文をインターバンクに流さず「呑む」とどうなるでしょう? 結果として、トレーダーの損失=FX業者の利益、逆にトレーダーの利益=FX業者の損失という利益相反の関係が生まれてしまいます。つまり、トレーダーとFX業者は「対戦相手」になってしまうのです。あなたが勝ち続けると、業者にとっては不都合な存在になることも…。
国内FX業者の収益源はココだ!— スプレッドだけじゃない利益のカラクリ
前述のように国内FX業者のほとんどがDD方式を採用しています。日本人トレーダーは取引方式よりもスプレッドを最重要視するため、国内業者は過剰な低スプレッド競争を強いられ、スプレッドが主要な収益源ではなくなったことに起因します。その結果、国内業者は、極限までに狭いスプレッド/DD方式(相対取引)というビジネスモデルを確立した訳です。要するに国内FX業者の主な収益源は、勝てないトレーダー・・・ということになります。
特にこの動画を見ると相対取引であることを実感できます。
また、「ストップ狩り」なんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これはFX会社が呑んでいるため・・・勝つためには手段を選ばず、なのだと思います。他にも、不利なスリッページ、リクオートなどもあるようです…。
なぜ海外FX業者はNDD方式を採用するのか?— 背景にある「透明性」の追求
海外FX会社のほとんどが、このNDD方式を採用していますが、その理由は海外のトレーダーは取引方法を最重要視するためのようです。 NDD方式の取引には、FX業者は一切トレーダーの取引に関与しません。つまり、顧客とFX業者の利益は相反しないのです。また、NDD方式の海外FX業者の主要な収益源はスプレッドからの手数料であるため、 顧客が儲けて取引量を増やせば増やすほど、FX業者に入る手数料も増えるというビジネスモデルなのです。 ただし、「呑み行為」などの不正が全くない訳ではないことは申し添えておきますね・・・。
NDD方式のデメリット— 透明性の代償は「コスト」
NDD方式はディーリングデスクの介入を受けず、相対取引のデメリットがないという大きな強みがあります。しかし、残念ながら取引コスト(スプレッド+取引手数料)が高めになる傾向があり、この点では国内FX業者のDD方式には勝てません。
「公正な取引環境 vs. 取引コストの負担」—— まさにトレーダーにとってのジレンマです。透明性を取るか、コストを抑えるか、あなたのトレードスタイルに合った選択が重要になります。
理想の関係!NDD方式は「Win/Win」— トレーダーと業者が共存できる仕組み
- DD方式・・・トレーダーが負ければ負けるほど、業者が儲かる(LOSE/WIN)
- NDD方式・・・トレーダーが勝てば勝つほど、業者が儲かる(WIN/WIN)
どうせならWin/Winの環境でトレードしたいものですね。
※この記事は、以前、TRADEVIEWナビに投稿したものを再編集したものです。